牛とスイカの思い出

牛とスイカの思い出

今回は牛とスイカの話です。

やはり小学校5年生の夏休みに鹿児島のおじいちゃんの家に1か月遊びに行った時の話です。

おじいちゃんの家は農家でしたが、肉牛用の牛も10頭くらい飼っていました。 子牛を産ませて1年位育てて、肉牛用に牛肉の有名産地に売って育ててもらうのです。

牛の餌にする為におじいちゃん達は毎日午前中に田んぼの周りや、山すそに生えているスラっとした草を刈り集めてワラと一緒に刻んで混ぜて牛に食べさせていました。

僕も手伝うよと言って、ある日の午前中におじいちゃん達と一緒に、小さな竹で編んだカゴを背中に背負って草刈りに出かけました。

草の生えている所に来たらおじいちゃんが草刈りカマを渡してくれたので、それを右手に持って、草を左手に束ねるようにまとめて持って、その根元近くをカマで切り取るんです。

おじいちゃんが、草をつかむときにマムシがいないか注意してからつかむんだよと言うので、えーっ! マムシがいるのー?と思わず大声をあげてしまいました。

それからマムシに注意しながら草をまとめて持って、根元をカマで切ろうとしました。

でも、草もそう簡単には切られてくれないので、自分を切らないように注意しながら結構力を入れて切りました。切り取った草は背中に背負っているカゴに放り込みます。

そうやって、30分くらいで僕の背中の小さなカゴは草で一杯になりました、汗もたっぷりかきました。おじいちゃんたちはずーっと大きなカゴを背負っていたけど、そちらもカゴ一杯に草が入っていたので、草を刈るのが早いなあとビックリしました。

それじゃあ帰ろうかとおじいちゃんが言ったので、僕たちは家の方に歩き始めました、スイカ畑のそばに通りかかった時におじいちゃんが、スイカを持って帰ろうと言って、スイカ畑に入って行ったので、僕も慌ててついていきました。

スイカは太陽の光を浴びて、とても熱くなっていました。

畑は昼前なのに太陽の光を浴びてむーっと暑かったです。スイカが沢山、大きいのや小さいのがなっていました。畑の周りには黄色い 瓜 もなっていました。

僕は嬉しくなって大きなスイカを見つけると、これが良いよとおじいちゃんに言いながらスイカに触りました、アッチッチ!と思わず声がでました。スイカは太陽の強い光を浴びてとても熱くなっていたので驚いたのです。

おじいちゃんは笑いながらスイカをポンポンと叩いてから、そうか、それじゃあこれを持って帰ろうとスイカのつるを鎌で切り取って自分が背負っていた籠に放り込みました。

戻ってから、冷たい井戸水を大きなたらいにたっぷり汲んでその中にスイカを浮かべました。それから刈り取って来た緑の草を牛舎の前に持って行って、学校にある紙切り台についてる刀みたいに大きなカッターでザクッザクッと草を4cm位に切って、同じように切ったワラと一緒に混ぜます、それをザルですくって、牛の仕切りの前にある、桶の中に入れると牛がすぐに顔を出してむしゃむしゃ食べ始めました。

おじいちゃん達と全部の牛にエサをあげてから、一番小さな子牛の所に行くと、一生懸命食べています。そこで子牛の額を撫でてあげると喜んでいるようでした。

でも額を撫でた手のひらをみたら、牛の油が真っ黒についていたのでびっくりしました。石鹸で洗っても簡単に落ちない油です。牛の毛皮の油ってすごいな、雨が降っても水をはじくようになってるんだと、初めて知って関心しました。

その後に汗を拭いて皆で縁側に行き座りました。するとおばあちゃんが井戸水で冷やしておいたスイカを切って皆に食べさせてくれました、あんなに熱かったスイカも井戸水に冷やされて甘く冷たくなっていてとても美味しかったです。

本当に田舎は楽しい所だなあと思いました。 でも子供だった私は、農家では大人には大変な事も沢山ある事などその時は全く考えもしませんでした。

 

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